DOG YEAR 5

ゴロコは15歳まで生きました
15年が
どれくらいの月日かというと
中学3年生は
高校生→浪人→大学生→OL→転職
→倒産→失業→流浪の旅→職業訓練→再大学
で二度目の学生中でした
お金が無くなると
アート引越センターでバイトします
引越でなにが大変て
本が多い家のそれです
閉口したのは大学教授の引越
うんざりです
どのダンボールも
本本本
重い本
新しい家へ全部もっていくの?
読むのか、ほんとに?
話がそれましたが
ゴロコがいよいよ死ぬとき
私達家族は中学3年のときのように
またみんな一緒に暮らしていました
母が家にいて
私が学校から帰宅し
妹が仕事から帰り
父が出張から戻りました
みんながそろうと
それまでくるしそうにしていたゴロコは
やっと
「アウ、アウ、アウ、アリガトウ」といって
私の腕の中でゆっくり息をひきとりました