ほうき

宝のほうきは6000円
赤、ピンク、黄色
しっかりした糸で編まれていた
アンデスペルー民俗衣装の様に鮮やか
ある日の実家
東京山王町歩いていたら
ほうき売りのおいちゃんに出会った
2本のほうきをもっていた
「電車にのり多摩川から来た」
おいちゃんは言った
多摩川の箒草を束ねて編んでいる」
丁寧に作られているほうき
美しくて目が離せない
ほしい
「長柄は6000円、短柄は5000円」
ほしい
おいちゃん話をもっと聞かせておくれ
「細いが腰のある草」
「一年に何本もつくれない」
「100円ショップのとわけが違う」
そうだろうそうだろう
これはもう芸術品
「か、か、買います」
宝のほうき
「長く使う為においとく時は
柄を下にするか上から吊るして」
おいちゃんが念をおす
宝のほうき
ゲットしたものの
子供2人連れ
ほうき持ち新幹線乗る
ちょっと無理
実家で母が使ってる
「あのほうきすごいで」
「じゅうたんのごみも吸い付けて掃き出すよ」
ほうきほうきわたしのほうき
つかえる日をゆめみながら
今は100円ショップほうきの日々
それでもほうきはいいです
静かに軽く自由です