New Prince

日曜日
ホームセンター
スロープ型エスカレータのっていると
「あ!ピンチや、ハナクソがヒラヒラしてるデ」
夫が顔をみながら言った
「ふうんコレはな、わざとヒラヒラさせてんネン」
そう答えたら
マシロくんをおもいだしました
彼は中学一年のとき
隣の席
足が少し不自由
歩くときびっこをひいていました
そんなこと全くきにせず
女の子からかうのが大好き
しょっちゅうチョッカイ
ある日
「ハヤフジ、スカートのチャック全開だぞ」
東京弁です池袋の中学校だったから)
(ちなみに制服はセーラー服三本線白スカーフ)
「ふうん」
ちらっと確認しつつ
「これはあけてンの、ほっといて」
中学の頃から
男子対処法かわってない
マシロくんは明るく
からかわれるのは
たのしかった
ある日
登山遠足
足が不自由なのに
すっごいいきおいで
仲間と走り
マシロくん
スキップのような格好で
ところどころ木につかまりながら
山を下っていきました
皆をびゅんびゅん
おいぬかし
山をおりていきました
マシロくん
いろんな女の子をからかい
チビちゃんもケメコちゃんも
みな女の子たちはうれしそうだった
ワタシもチョッカイだされるのが
好きだった
それなのに
「ヤマシロ、ナマイキ!」
ワタシは悪口をいった
それを聞いた男子は怒った
あれ、机の中にいれておいた
New Prince(英語の教科書)
ないなぁ?
探すとそれは
ゴミ箱に捨てられていた
まぁ、しかたない
ひどいことをいってしまったんだから
マシロくんはどおしているかな?
ずっと中学のそばに
すんでいるアリヨシに聞くと
「早くに結婚したよ」
教えてくれた
もててたもんなヤマシロくん