ロルケチズケチョコケ
11月にはいり
めっきり寒くなった
市立病院で
MRI検査をした
ここで
それをするのは2度目
いつも
私は泣く
1度目は
待合室
不安でしくしく
泣いてたら
向かいでやはり
待ってたおいちゃんが
「大丈夫大丈夫」
と話しかけてきた
「おっちゃんには
あんたくらいの娘がおってな」
「今トウキョウにおるんや」
などと話
きいていたら
元気が少しわいてきた
2度目は
台の上
「造影剤の点滴します」
そういって
大柄の女性撮影師は
右の手首に針を刺した
めっちゃ痛いです
訴えると
「そしたら左に」
と針を抜き
次は左手首の骨の上にさした
めっちゃめっちゃ痛いです
しくしく泣きだすと
彼女は
再び針を抜き
次は肘の内側に
刺した
ここは
そんなに痛くない
MRIの検査中
やることは
目をつぶり
ケーキのことを
考える
一口でケーキと言っても
なんでもいいわけではない
ロルケ(ロールケーキ)や
チズケ(チーズケーキ)は
効果なく
チョコケ(チョコレートケーキ)だ
甘く
まったり
腹にもたれるくらいの
チョコケについて
考える
そのことばかり
考えて
MRIは
かーんかーんと
音をたてるのであった