きにしない

職場には
2台のチャリがある


半年前まで
1台がフル乗車されていた


かなりクラシカルな
鋼色のチャリ1号


「実は新しく中古チャリ買おうと思ってる」
ある日所長は打ち明けた


「ハヤフジさん、何色がエェ?」


そうですねぇ
チャリだったら赤か黄色


そう答えた


しかし予想通り


品揃え豊富な中古チャリ屋から
所長が選択した2台目は


青色だった




1号との大きな違い


変速ギアが付いている




チャリ置場
与えられたスペースは


一家に1台


必然的


クラシカル1号


ざらし置場へと
移動した




ある日私は


最近誰も乗らなくなった
クラシカル1号にて
お使いに行く




1号と私は
街中を爽やかに
走りぬける


目的地に到着


チャリ降りると


なんとオケツ
ひたひたにぬれている


いや
おケツだけじゃない


水は前方にも進出し


いま、まさに
もらしちゃったような


そんな装い


ざらしざらし
クラシカル1号は


そのサドルに


目一杯
豊潤に湛えられた雨水

全体重をかけた
私のおケツへ


毛細管現象

上昇してきたのであった


こうなったら仕方ない


平然と悠然と泰然と
お使い先へ
立ち向かうしかないでしょう






まる