ドトール

9年ぶりに
カーカミくんと会う


カーカミくんは
大学んときの同期だ






この大学は
莫大な面積をもっており


その敷地に
小高い丘や林だけでなく


緩やかな野原もある




春先には野焼きが見られる
風物詩である






カーカミくんは学生時代
ここで学び


今はそこで教えてる






出張で大阪へきたついで


私の顔なぞ見に


南森町は天神橋商店街
寄ってくれたのだった




昼休み


りそな銀行前で待ち合わせ




お久しぶりと挨拶もそこそこに


20分くらいしか
時間ないねん


ドトールでいいかね?


と尋ねると




カーカミくんは
「うん、こっちがいい」


向かいのUCCを指定した




その短時間で彼は




「ウメ先生はかわらず元気元気


ユミちゃんもエッちゃんもミネちゃんも元気、独身


あ、ジノさん結婚した


フミちゃんは夫の転勤で関西きてる


スガさんは今北海道」




たくさんの情報
教えてくれるのだった




私はといえば


特に有益な提供情報
なく


更には体調不調のため


疲労表情で応対するのだった


せめてもと


カーカミくん、この商店街はな
日本一長いらしいで


ほれ、こっち歩いていってみ


「へぇ、ここ行ったら
何処へでるの?」


カーカミくんは聞く


えーと、多分天満


「他には?」


エーと、天満


「・・・むづかしいことは
聞かないでおこう」


うん、そうして




天神橋商店街そばに勤務して
1年と4ヶ月


いまだにドトールしか知らない私であった




まる