ひえこむもくもく

日曜日
めっちゃ冷え込む


ベランダのメダカ
水面は凍ってる


三宮センタービル
温度計は0℃


新快速は遅れてる
敦賀から走ってくるのだ
寒い雪の中走るのだ
遅れて当然なのだ




日曜日は塾へゆく


教室では机が移動され
床にブルーシートが敷かれてた


靴を脱いでその上を歩いていると


「あれ、ハヤフジさん」
マツエさんが話しかけた
「足元、暖かそうですね」


お・・・わかりますか

本日の靴下6枚カウントアップ
栄えあるその相手を見つけた


マツエさんへ1枚、2枚、3枚・・・とお披露目


「1枚1枚が薄いんですねー」
6枚数え終えたあとのマツエさんの感想


「それでもそんなにはいてたら靴がきつくなりますね」


さすがマツエさん
よくぞ気づいてくれました


高校以来、久しぶりに靴のサイズが上がり
いまや26.5センチ履いてんです


「えー?」
マツエさんはそっと驚いた


マツエさんは静かな森の中にいそうな女の子だ


彼女は塾のスタッフの1人だが
イラストレーターでもある


塾の教室には
いろんなイラストレーターの絵がかかっている


マツエさんの絵もそこにある


静かな絵だ


海に浮かぶ小さな島が向こうに見える
工場みたいな建物の長く大きな煙突から
煙がもくもくでてる


そんな絵


静かな煙がもくもくと


もくもく
もくもく