アパートを探す

まり先生の息子さんが
大学に合格した
おめでとうございます


家をはなれ下宿をするそうだ
週末には住まいを探しに
まり先生も下見へいくという


そんな話を聞きながら
そういえば自分はどうだったかと思い出す
けっこう前の19の春
八王子の大学へ通うのに
新宿にあるじいちゃんちへ居候した


2年生へ進級するとき
1人暮らしを切望し
親に反対されしくしく泣いてたら
それじゃあと
一緒にすんでたばあちゃんが
アパート下見につきあってくれた
2人で京王線めじろ台駅まで
黙って座って揺られたのだった




そんな話をしていたら
「いいよなぁ」と夫が言った


「ボクのにいちゃんも大学進学ん時
父ちゃんと一緒に博多のアパート探しにいったのに」


「ボクん時はほったらかしで
電車にのったこともないっていうのに
鹿児島から東京へ1人で上京」
「新宿で迷子んなって途方にくれて日も暮れて」
「困って茨城に住むおばさんへ電話で助けを求めたんだった」


忘れてた思い出が鮮明によみがえったようだ


なるほど
こうして次男はつよくなるのか




かぜがびゅうびゅう吹いている
春一番も吹いたから
春はもうすぐやってくる
風にのってやってくる