上安1922

キタオくんに会った


キタオくんとは舞鶴
1年6ヶ月同じ学校ですごしたにもかかわらず
1,2度しか話した事がない


我々の学校は
京都職業能力開発短期大学校という
とても長い名前であった
そこの住居環境科というクラスで過ごした


となりには染織技術科があった
ここはその名の通り染織について学べるクラスだ


そこにリオさんいう名の男子学生がおり
彼とキタオくんはその頃からの友人だそうだ


リオさんは今
芦屋でパン屋を営んでいる
百年前から大切に受け継がれるドイツパンのレシピで
彼はパンを焼いている


キタオくんがリオさんのパン屋へやってきた


リオさんの店には
階段を6段ほどあがるとカフェスペースがあり
そこでは彼が朝3時から焼いたパンを食べることができる


キタオくんと私はパンを食べた


キタオくんはゴルゴンゾーラとソーセージのパンを食べ
私はゴルゴンゾーラジブラルタルという名のパンを食べた


それから
リオさんが入れてくれたコーヒーを飲んだ


キタオくんは
お土産に京都北山の菓子をくれた


「ランドグシャ」
と商品名を読んだら


ラングドシャですよ」
リオさんが訂正した


キタオくんは
京都美山の茅葺き職人だった


茅とはススキのことだ


私は高さ1mくらいのススキしか見たことがないが
キタオくんたちは3〜4mもあるススキで屋根を葺いていたそうだ


ススキがすきだ
昔から特別ススキがすきである
そんなでかいススキを一度でいいからみてみたい




一足先に帰るとき
店の外まで
キタオくんとリオさんが見送ってくれた


私は原チャリに乗ってきてたのだが
グッドマン(訳:いい男)2人に手を振られかなり緊張し
ふらふら道路をふらついていたならば


通りすがりの見知らぬおっちゃんに
「きをつけろぉ」と声をかけられた


キタオくん
12年ぶりに会えてうれしかったです


舞鶴のことを思い出してます