カナダの話つづき

1988年の冬
タジッコと私はカナダを右から左へ横断の旅をした
その年はオリンピックが開催されてたので
カルガリーにも寄ったのだと思う


カルガリーの印象を語らせてもらうと
「なんて田舎なんだろう
歩いてる若者男子も今ひとつだ
大きく新しい設備や施設がババーンと存在してるものの
ただそこに置かれてるだけって印象がぬぐえぬ感じの町だねェ」
だった


しかしそれはカルガリーが悪いわけでなく
オリンピックは昨日おわったとこだったからだ
2月28日にオリンピックが終わってるから
我々はうるう年29日に到着したのだろう
そんな間抜けた時に訪れておきながら
失礼な印象を抱きパッとしないねェなどと話す2人
カルガリーよ若者男子よゆるしたまへ


「あとの祭り」ならぬ「祭りのあと」を異国の地で経験したのだった


それから次はバンフへ寄った
そこの土産屋で見たものを今でも覚えてる


ガラスケースに展示されてる人魚のミイラだ


このような宇宙的ハイレベルのものがなぜ
大英博物館ではなく村の土産屋奥に展示されてるかは不明であるが
それは上半身は人で下半身は魚の人魚だった


ウギイヤァ〜という叫び声がまさに聞こえるような表情をしてる
タジッコは人魚をじっとみつめ
その土産屋で人魚のポストカードを購入した


それを日本にいる彼氏に送ると言う
「あの子、これみたらきっと夜うなされると思うで」
そういってヒヒヒと笑い
ウギイヤァ〜の顔がアップになってるものを念入りに選ぶタジッコだった


バンフの郵便局からエアメールおくるタジッコ
ウギイヤァ〜