カナダ 自転車 こけた 話


父からカナダの写真 ↑
タイトルは「自転車女性」らしい
道路に電線の影がうつってる
興味深い
父よ
次は電信柱の写真をおくってくれたまえ
更に要求するとからすがとまってる電柱でタノム


自転車といえば
こないだ自転車おりようとしてこけた
左足を着地し
右足をこちら側にもってこようとた時
フレームの上管にひっかかり
壁にどーんと当たってこけたのだった
まだ左腕が痛む


こけたといえば昔
大学の卒業旅行でカナダへ行った
旅行前、内定してた会社の人事から言われた
「もしスキーで骨折して
4月1日に出社できなかった場合採用とりけします」


がーん


やっとの思いでゲットした内定である
わたしゃカナダにはいくが
そしたらスキーはしないでおこうと思った


ところが同行のタジッコは
日本ではあきたらぬ
カナダでスキーが絶対したいと言った
彼女は吹雪でも猛然と雪山に対峙し
「タジさん、おねがいだからもうやめましょう」と
男子後輩から羽交い絞めにとめられた経歴を持つ


そんな彼女のたっての希望で我々の旅行スケジュールに
ウイスラーとブラッコムのコテージ宿泊が組込まれた


まぁいいや・・・スキーはせず
土産屋とレストランで時間を費やし過ごそうと思っていた


しかしなんとすっかりうっかり
村全体スキー天国の雰囲気にのまれ
正気に戻った時
タジッコと私はゴンドラで山頂に到着していたのだった


降りてく先がみえません


再びがーん


無事にふもとまで帰還できるのであろうか・・・
そんな不安を察知しタジッコは私を押した
簡単にころっとこけた


「ちょっとやめてーや・・・」と言っても
タジッコはイヒヒと笑い
慎重に用心深くそろそろすべる私を時々押した
そして何度もころころこけたのだった


「アンタなぁ、骨折ごときで内定取りけすような会社」
広大な雪山であまりにびくびくしている私をみてタジッコは言った
「こっちから願い下げやっ!」
そう言って我を置きヒャッホ〜と滑走していったのだった


ひろくはてないカナダのスキー場


ゲレンデに自分以外人の姿が見えないことが何度もあった
よれよれに泣きながらも骨折することなく
村に到着した時は心底ほっとしたのだった




そしてあれから25年がたち
タジッコはいまや大学の先生だ
なんと偶然にも今読んでる本の主人公
横道くんも通う学部の教授である
彼の大学生活読み進むたび
彼女がどんな講義をしてるのか
同時進行で興味はつきぬ


広大なゲレンデでたったひとりぼっち
しくしく泣くより
ヒャッホ〜とむかっていけば
人生は違うものになるだろう