ペプシ

パンケーキを
マチさんと一緒に食べた
大抵わたしは
ひとりで食べるのだが
珍しいこともあるものだ

マチさんは東京から避難してきた人だ
住んでた場所の土の放射能を計測し
子どもたちの血液検査をし


公の発表は嘘だと
自分で確認して知った人だ


関西に移り住んで2年たち
子どもたちの血液検査の結果は
正常に戻ったそうだ


公の報道は
新聞もテレビも
みな
うそなのだろう


本当のことは
ドラマやアニメや小説や
つくりもののなかでしか


真実を知ってる人たちは
言えないのかもしれぬ


これは
フィクションですよ
といって
真実を伝えるしかないのかも


報道の中には決して
真実はないのかもしれない

全然関係ないことだけど


30年前
社会学の授業で
稲増先生は
ペプシコーラのCMを
我々に見せた


どんなCMかというと


ペプシコーラコカ・コーラ
目隠しして飲んでもらい
どちらが好きか
選んでもらう
というものだった


結果は
ペプシコカ・コーラ=4:6
の割合で
コカ・コーラが多かった


CMは
イメージからもっとたくさんの人が
コカ・コーラを選ぶと予想してたのに
案外たくさんの人がペプシを選びました
としめくくる


「このCMの画期的なところは」
稲増先生は言った
「実際は6割の人がペプシを選んだそうだ」
「だけどCMで高らかにペプシが勝利したことを流しても誰も信用しない」
「だから4割がペプシを選んだと事実と違うことを言って」
「ホントは案外みなペプシの方が美味しいとおもってるんだ」
「そんな意識を与えるてるところだ」


わたしはコーラが飲めない


喉がシュワシュワ弾けるから
痛くて飲めないのだ
だからどっちがおいしいか
どうでもいいんだけど


最近流れてるペプシのCM


「6割の人がペプシを選んでます」
っていってた


ペプシは30年たって真実を述べたのか?


だけどさ
真実なんて
そんなものは
知らされるものではなく
自分でしるものだろう


だって
一人一人
見てるものがちがうんだから


あなたの現実と
わたしの現実は
違う


真実は
自分でみつけるしかない