明日海りおさん

宝塚歌劇エリザベート」を見た


私と宝塚歌劇の出会いは
小学6年の時だ


クラスメートのタヅさんという女子が
宝塚歌劇ベルサイユのばら」オスカルに心を奪われたことに始まる


タヅさんは
ベルばらの漫画を毎日読み
ベルばらの鳳蘭に夢中になり
ついに
女子たちへ宣言した
「卒業式の謝恩会で、ベルばらをやる」


当時彼女は
女子たちのリーダー的存在だったので


有無を言わさず
謝恩会でベルばらをすることになった


その準備は5月から始まった
タヅさんは脚本を書き
配役を決め
めっちゃ精力的に活躍した

主役のオスカルはもちろん彼女だ


アンドレやフェルゼンや
マリーアントワネットといった主役級の役は
彼女の仲良しが配役された


タヅさんと一番の仲良しの女子は
たっての希望でロザリーをやりたいといった


しかし貧乏な時のロザリーはやりたくないらしく
貧しい衣装を着なくてはならない時のロザリーを
ナント別の女子がやらされることになった

私はといえば
ある伯爵夫人をやることになった
セリフは今でも鮮明に覚えてる


6年生になった気持ちでそらんじて言えます


「まぁ!オルレアン候の奥様ではありませんか!」
「あぁ、私それでわかりましたわ」
「今宵がなぜ闇であるかを」
「だって、奥様のそのお美しさの前では月も光をなくしますもの」
「ねぇ皆様〜」
「おほほほほほ」

それから
衣装もつくった


我々の通う小学校は池袋にあったので
池袋駅前にあった
キンカ堂という大きな手芸店へ
布や糸やスパンコールや太い針金なんかを買出しに行き
放課後
タヅさんの指示のもと毎日制作に携わったのだった


太い針金は
何に使うかというと
ペチコートだ


マリーアントワネットと
お金持ち時のロザリーのドレスを
ふわんと膨らませるために
ペチコートも作ったのだ


針金が太くてなかなか曲がらず
この作業が一番大変だったと記憶する


まぁそんなわけで
タヅさんは自らの意思を貫き
無理を通しつつも
かなりの指揮力を発揮して


われわれは
宝塚歌劇団小学生バージョン「ベルサイユのばら」を
謝恩会で立派に発表することができたのだった


エンディングでは
人数が足りなくて私は
ルイ17世もやることになり


「♪すてきなバラが咲きま〜した
すてきなバラがさきま〜した♪」などと
舞台の真ん中で歌わされ


その歌に合わせて
オスカルやアントワネットが挨拶にでてくるという
最後の最後まで宝塚歌劇団にこだわった作品となったのだった


それが
わたしの宝塚歌劇団との最初で最後の思い出である


それ以降
宝塚歌劇を見に行くこともなく
興味もなかったのだが


この度
兵庫県教育委員会が県の子どもたちを招待する
「心豊かにのびよう!ひょうごっ子企画」
宝塚歌劇を鑑賞するプレゼントに当選し


家族でエリザベートを鑑賞するに至ったのだった


主役は花組の男役、明日海りおさんという方で
めっちゃめっちゃかっこよかった


宝塚歌劇を生まれて初めて見て
やっと理解した


何を理解したか?
それは
「きゃーオスカルさまぁぁぁぁ!」
と教室で休み時間オスカルを想い
時折涙を浮かべていたタヅさんの心情を、だ


エンディングでは
明日海りおさんは
背中にめっちゃ青い羽をたくさんしょって
孔雀のように華やかに壇上から男らしく降りてきた


その姿を見たとき
私はおもわず
歓声と共に
「ミッキーッッッッーーーーーーー!」
と叫んでいた


それを聞いたとなりのモットチビリンコは言った
「ミッキーちゃうし」
「ディズニーランドじゃないで」


そうだった


しかしミッキーも明日海さんもわたしにはとって同じ存在


その姿をみると
なぜだか心がたかぶる
ハートが燃える


タヅさんをたくさん思い出した
彼女の気持ち37年たってはじめて知った
OH!タカラヅカ


兵庫県教育委員会の人たちありがとうありがとう