鉄鋼館






この絵は
鉄鋼館の内部「スペース・シアター」である


空間にあるのは球形のスピーカーだ


それだけでなく
天井、壁、床下にまで1008のスピーカーが存在するそうだ


そして1008個のスピーカーはアンプ(音量調整)を内臓し
一個一個が別々に制御可能である


これにより
ホール空間すべてで音をだし
建物全体が楽器となり奏でることができる


音と同時に
光を導入し
音と光のページェントを上演することができるホールとなっている


鉄鋼館は大阪万博
太陽の塔といまも残るもうひとつのパビリオンである


太陽の塔が陽であるなら
鉄鋼館は陰だと私は感じる


なぜ
この鉄鋼館が取り壊されずに残ったのか理由は知らない


こんなにすごい装置を持ちながら
万博のあと
一度も音楽ホールとして使用されたことはなかった




2009年まで
過去の遺物の物置として使用されていた
中は荒れ果てた


万博大好き少女のニシムラさんは
よく万博公園を訪れるそうだ
もちろん彼女も太陽の塔が一番好きだ


鉄鋼館からはどうしてか
負のエネルギーを感じずにはいられないと
言っていた


きっとそうなんだろう


鉄鋼館はみんなのたくさんの負のエネルギーを
ひきうけて
そこに存在し続けている


鉄鋼館は
以前にも書いたけど


作曲家の武満徹さんが
スペース・シアターのために「クロッシング」という音楽をつくった


わたしは
太陽の塔がすきだけど
鉄鋼館が
どうしてもきになる


阪急百貨店のアートギャラリーに
わたしの3点の絵
展示してもらうことになった


その一つがこの鉄鋼館の絵だ


ギャラリー「シャルグラン」のご主人は
「なんだ?この絵は」
と思ったそうだ


チンチクリンな絵かもしれない


だけどわたしはこの絵が好きだ


シャルグランのご主人と奥さんが
この絵にすてきなマットと額縁をえらんでくれた


額にはいった鉄鋼館は
チンチクリンではなくなったような気がする


よかったら
ぜひ見に来てください


わたしの鉄鋼館