おいのりさんプロジェクトA

怒涛の6月


わたしはいま
自分の作品に夢中だ


前述の「おいのりさん」
たくさんつくった


自分が好きな度合いに反し
周囲はけっこう不評である


チビリンコたちには
「うわ、きもッ…」っていわれた


そこで現在
市場調査中である


たくさん作成した「おいのりさん」
庭と道路の境界の生垣下にたくさん置いた


もし、だれかに「うわ、きもッ…」と思われても
その人が「しかし、ほしい…!」と感じれば
彼はこの「おいのりさん」をパッと持っていける
そんな位置に皆を配置したのだ


とくに
わたしんちは道路から1メートルくらいの高さに地盤面があり
ちょうど子どもたちの目線は
われらが「おいのりさん」の鎮座する位置であーる
ターゲットは純粋な反応をみせる子どもたちだ


そのような位置にあるから
たとえば、すてきなお花など
植えるとかたっぱしから
抜かれて持って行かれるのも常である


花だけでなく
太陽光ランプも持ってかれたことがある


一番かなしかったのは
お気に入りの葉っぱを
抜かれて歩道に捨てられていたことだ


「チイの葉っぱが抜かれてすてられてる〜」
とモットチビリンコに報告されたときは
それはそれは悲しかった


持って行かれて
どこぞの庭や植木鉢で育てられるならまだしも
抜かれてほかされるなんて
ひーどーいーーーー


ともかく、そんなふうに
おもわず手がのびて持ち去りたくなるような
場所位置に置いた「おいのりさん」


気に入ったら
だれかはきっと持ち去るであろう

そう思い市場調査1週間経過


先日
家の周りをパトロールした
一体も微動だにせずその位置に鎮座していた


えーん


人気ないのか






ここで
思い出しました過去の記憶


2度目の大学
学生寮で生活していた頃


わたしは自分が必要なくなった服を
洗濯してきれいにたたんで
ダンボールに詰め
学生寮掲示板の下に置いたことがある


「↓ほしいかた、ご自由にどうぞ」
こんな張り紙をして古着を置いたのだ

掲示板の前を通るたび
わたしの洋服、だれかが持っていったかしら〜
などとけっこうどきどきしながらチェックしていた


が、一向に
持ち去られる気配はなかった


ガーン


と思っていたとき
2週間くらいたったある日
ダンボールはなくなった

撤去されたのか?


しかし舎監さんに尋ねたところ
かれは撤去してないとのことだったので


おそらく
心優しいどなたかが
持っていってくれたのだ


よかったよかった


そうおもっていたら


同じ研究室の
同じく学生寮に住む男子が
「あ、あれ、ハヤフジさんのだったの?」
と話しかけてきた
「ボク、あれ、誰がもっていったかしってる」
というではないか


それはだれだれだれ?
とわくわくしながら質問すると
かれは答えた
「エネルギーセンターのおっちゃん」


ガーン


エネルギーセンターとは
大学構内の清掃を司るセンターである


きっとおっちゃんは
わたしの服


構内の清掃に役立てるためもっていったのだろう


…アァ
それでも捨てられるより
最後にもうヒト仕事することができて
わたしの古着もしあわせである…


という
そんな思い出が思い出されたが


わたしの「おいのりさん」はきょうも微動だにしていません


ネクス
「おいのりさんプロジェクトpart2」
ターゲットを日本人から外国人にかえようおもいます