中学生男子2年生

「部活におくれる〜」
チビリンコが言うので


早朝わたしは
中学校のそばまで
チャリをひとっぱしりしてあげた
後ろにのっけてふたりのりだ


「まにあった〜」
と彼女を送ったあと


学校の周りでは
中学生に何人かであった


まず
こちらにむかって歩いてきたコーキくんに話しかけた
「夏休みの自由研究、おわった?」


すると彼は
遅れて急いでるにもかからわらず
応対してくれたのだった
「磁気についてしらべました」


うーむ
流石にかれはめのつけ所がちがうのだ


磁気についてしらべるなど
やはりただものではない


彼の自由研究をみるのがたのしみだ


それから
急いでる様子などわたしは気づかないふりをして
「彼女できた?」
ときいた


これはわたしが一番ききたいことの一つだ


わたしは
なぜなら
恋話がだいだいだいすきだからだ


この世で一番きょうみあること
それは恋


だれがだれを好きなのか
興味あるのはそれのみだ


「まだまだっす」
彼はこたえたのだった


そうか、まだまだか
なるほどなるほど


つぎに
ヤマくんが向こうからやってきた


彼は
最近わたしが目をつけている
めっちゃ注目株の男子だ


1学期最後の授業参観で
目が離せなかったのだ


「夏休みの自由研究おわった?」
まずかるいジャブからクエスチョン


「はい、おわりました」
「静電気についてです」


うーーーむ
これは、やはりめっちゃ只者ではないだろう
まさにわたしのストライクゾーンな自由研究である


わたしは
こないだ
楢崎皐月さんの「静電三法」という本を手に入れたのだ


しかし
難しすぎて読めない
日本語でかいてあるにもかかわらず
日本語からわからぬ


そこで
夫へ本を解読するように託した


夫は電気に関する職業についているからだ
しかし
こないだ
「解説してくれたまえ」と依頼したら
「まだ、よんでない」
との回答だった


かれにもきっと手におえない代物なんだろう


そうだ、次はヤマくんへこの本を託そうと
閃いたのだった


それから
ヤマくんへ
「高校はどこめざしてるん?」
と聞いてみた


「野球部の憧れてる先輩が進学した高校を
目指してます」


やはりヤマくんはいい男子だ


答えがいちいちナイスだ


ヤマくんはきっと遅刻だろう
そんなことにもかまわず
わたしの質問に真摯に答えてくれるところも
好印象である




さて、次はダイくんにであった



ここで
風呂がわいたので
続きはまたネクス




ツヅク