運命の出会い

いとこのあいちゃんが
すてきな彼氏と一緒に東京から
芦屋へ遊びにやってくることになった


彼女はいとこの中で一番最後に生まれてきた
親戚で集まった時
みんなあいちゃんをかわいがった


「あいちゃんは美人じゃないけど」
いとこのなかで二番目に年上のアキラくんが言った
「愛くるしい!」


苦しいくらい可愛いのだった


愛くるしいあいちゃんは
その声
地球上のだれよりもきれいだ


あいちゃんの声は魂の目印だとおもうな。。。。



そんなあいちゃんがやってくるので
わたしはパーティー用の紙コップや紙皿や
ジュースやお菓子を買い出しにダイエーへいった


ダイエーにはめったにいかない

買い物がおわって
エスカレーターに乗ろうとしたら

ばったりと
アキコさんに会った

アキコさんは
バリに住んでいるのだが


5月〜7月
日本の実家へ娘さんをつれ
帰国しているんだそうだ



彼女のバリの布地でつくるポーチに魅せられて
そんな縁で出会った人だ



初めてであった5月から


ばったりと6月
呉川町のカフェ「リーフ」で出会い


そして再び7月
ダイエーで出会った


「水曜日に」
アキコさんは言った
「バリへ帰るから、お手紙かこうと思ってました」



わたしは
こんなに偶然に会えるなんて
運命だと思った


バリへ手紙、書くね
と言ったら


バリの家はとても奥なので
郵便屋さんがこれないから
手紙は郵便局留めなんです

だから
手紙の返事が遅くなったりするけど
おこらないでね


アキコさんが言った


それから

バリへ気が向いたらあそびに来てね
って言った


バリってどこなんだろう



むかし、OLんとき

同僚のアユミちゃんから
木彫りの人形をもらったのだ

「バリの人が半年くらいかけて彫ってつくるんだよ」
アユミちゃんはそう言ってお土産をくれた


その木彫りの人形はめっちゃ精巧で
手足がながくてきもちわるくて
わたしは手元に置いておきたくなかった

フリーマーケットしたとき
1000円で売り出したら

即効売れた代物です


バリ、行ってみようとおもってなかったが
アキコさんに会いにいくなら
行ってみたいかも

と思った




そうだ
これを言いたかったの、私

あいちゃんの19年前になくなった
お母さんは
アキコさんていう名前で


わたしを
とてもとても
可愛がってくれた


あいちゃんが
会いに来てくれるそんな日に


アキコさんに再びであった偶然は

運命の出会い