ヘアバンド

ゴルデンウイクが終わると
とたんに暑くなってきた


そこで、衣替え


モットチビリンコの長ズボンの裾を
ちょきちょき切って短パンにした


ついでに夫の
ビリビリ破けてるジーパンも
短パンにしてあげようと申し出ると


タノムからさわらないように
と彼は言った




ざっと6本の長ズボンが
短パンに変わり


衣替え
順調に移行中


と思ってみると
その中の1本
ズボンの右と左
長さが違うではないか


まぁいいか・・・気にしない気にしない


そう思っていたら
明美ちゃんを思い出した


明美ちゃんは
大学のときの友人だ


富山県の出身で
中野にお兄ちゃんと下宿してた


彼女は中野の商店街で
めっちゃ安い衣類を見つけることについて
天才的だった


「このシャツ300円だったの〜」
とか
「このキュロットパンツ500円だったの〜」
など
我々仲間うちでは
いつも明美ちゃんの着ているものに
驚愕の意
表していたのだった


なぜなら


いまでこそ
ダイソーなど価格破壊
ありとあらゆる100円の物あふれているが


それこそ30年前弱
衣服が3桁の価格で買えるなんて
驚きの安さだ


そして
明美ちゃんはこうも続けたのだった


「シャツ、一回洗濯したら、ばらばらにほどけちゃった〜」
「キュロットパンツ、よくみて〜右と左で長さが違うの〜」




そうだ思い出した
同じ頃私も


980円でかっこいいベルトを買った


しつこいようだが
1000円を越さずして
このようなかっこいいベルトが手に入る時代ではなかった


しかし
ベルトはある日突然
ビリビリとやぶけた


断面を見ると
それは紙でできていたのだった


やはり
安いものには理由があるのだと


1人暮らしの生活ン中で
いろいろ我々は学ぶのであった




ところで話は戻るが
裾切った残りの布で


ヘアバンドをたくさん作った


そしたらチビリンコが学校の宿題の作文


「ヘアバンド


今日おかあさんが
ヘアバンドをたくさんつくりました。
ヘアバンドはかんたんにできます。
いらない布にゴムをつければできあがりです。
だからおかあさんはたくさんつくりました。 おわり」


書いた


そうかんたん
かんたんだから
そんなにかわいくもしゃれてもないだです。おわり