「宗谷」のプロペラ

クミに会った


彼女はいま池上本門寺前に住んでる
歴史ある土地に住むことができて
きっとご利益があるだろう
そんなことを思う町並み


クミに会って南極へいったという同僚の話を聞いた


彼女は「しらせ」にのって南極に行ったので
「宗谷」のことは知らないそうだ


そうか
「しらせ」か


南極観測船「しらせ」の名は
南極大陸白瀬海岸という地名に由来する


白瀬海岸という名は
明治時代に南極大陸へ行った探検家白瀬さんに由来する


白瀬さんはすごいよなぁと思う
秋田の人だ


明治時代に船をもち探検行くなんてびっくりだ


先日その「しらせ」が
氷の海にはばまれ接岸断念とのニュースが新聞に載ってた
海水が凍る氷の厚さは4メートルもあるらしい


「宗谷」も「しらせ」も氷を割りながら前進する砕氷船
大体1メートルから1.5メートルの厚さまでなら
氷を砕けるらしいのだ


船の後ろについてるプロペラを
反回転させ後進
そして
回転させ助走をつけて
前進し氷にぶつかり
斧のようにするどい船の先端で氷を砕く


これをチャージングというのだそうだ


チャージングを何度も何度も繰り返し
「宗谷」は左プロペラの1枚が折れて破損した


私はプロペラが折れたことについて
驚愕したが


船の科学館学芸員イイヌマさんによると
「プロペラが折れる事は想定内でした」らしい


大きな力がかかったとき
プロペラが折れることにより
プロペラとエンジンをつなぐ軸やエンジンを守るんだそうだ


だから
「船にはかえのプロペラを積んでました」と
「宗谷」の第3船倉に積んである予備のプロペラの絵を教えてくれた


なるほどなるほど


そうだ
船の科学館で購入した「南極観測船 宗谷」という資料ガイド


いつなんどき「宗谷」関係者にあっても大丈夫なように
カバンに入れて持ち歩いてます
チャンスがいつ我に巡ってくるかわからないのだ


そのガイドの中で
一番お気に入りのくだりは


当時、灯台補給船だった「宗谷」を南極観測船へ改造するとき
次のように語った海上保安庁の水品さんて人の言葉だ


「観測船として宗谷でよいのか疑念がある。
宗谷の砕氷能力は1メートルが限界で、これで十分という根拠はない。
しかし、これが国力の限界として決定されたのであり、
この能力で最善を尽くそうとおもっている」


わかんないことや十分でないことなんていっぱいあるのだ
そん中で
その能力でがんばるのだ


しびれます