おニュー

モットチビリンコ
ピカピカの1年生になって一ヶ月過ぎる


持ち物は
ランドセルと消しゴム以外全てお下がり


「どおしてわたしの新しくないんや」
最近回りの状況を見る余裕がでてきたらしい
「みんなのは新しい」「ぴかぴかやのに」
「わたしの筆箱も、なんでこんなに汚れてるンやーっ!」


6才年上のいとこ
4才年上の姉
2才年上のいとこ


彼女らと彼からのそのお下がりの
多種多様そして豊富な量に
ただ喜び着用・使用していたが
ついにちょっと気がつき始めた
「わたしも新しいのがほしいわ」


仕方ない
それならばと私の父の話を聞かせた


「あんたのおじいちゃんは」
「子どもの頃新しいモン買ってもらったら」
「わざと汚して古くみせてたらしい」


するとモットチビリンコは驚いた「え!?」


「例えば新しい靴かってもらったら」
「泥つけて汚したり」
「新しい帽子買ってもらったら」
「砂つけて古く見せたらしい」


モットチビリンコの疑問「なんで?」


「新しいものはかっこ悪くてはずかしいンや」
「長く使われたものほどかっこいいんだで」
「わざとダメージ与えて品物売る店もあるんやで」


モットチビリンコ「・・・」


「だから、その筆箱も靴も体操服も給食着もみんなみんな」
「新品よりかっこいいんだよっ」


モットチビリンコ「・・・フウゥ〜ン」


そんな彼女は毎朝
学校へ行きたくない行きたくない行きたくない
大コールだ


朝は泣きながら学校へ行く


新しい生活
慣れるのはみな大変


涙だってでちゃうよね


わたしも
泣きながら文句言いながら歩いてた


健康で安全にがんばろうがんばろう