日下部神社

タオノくんが
芦屋のリオスにやってきた


リオスっていうのは
リオさんがやっているパン屋だ
百年前から大切に受け継がれているドイツパンのレシピで作ってる
おいしい


リオさんとタオノくんは
舞鶴のポリテクカレッジで学んだ仲間である


チャリこいで山の途中にある店へ
タオノくんに会いに行こうとモットチビリンコを誘った


モットチビリンコは
自転車に乗れるようになってまだ間がない
上り坂を登るのはイヤだといった


そこで
「イナバちゃんに似てるんやで」と言うと
「イナバちゃんて誰やねん」と答えた


私「イナバちゃんてほらジャニーズの」
モ「なにジャニーズって」
私「ナエバちゃんだったか、ほら嵐」
モ「アイバちゃんやろ、それ」
私「そうそうアイバちゃんに似てる」
モ「えっ!会いたい会いたい」


かくして汗だくだくかきながら
上り坂をいったのだった


久しぶりに会うタオノくんは
おしゃれなボウズ頭で毛は金色になっていた


我々はいちごのように赤色になりながら
「こんちわ」と挨拶した




明日5年生
チビリンコのクラスへ絵本の読み聞かせに行く
「うらしまたろう」を読もうと思う


5年にもなれば
絵本の読み聞かせなぞちゃんちゃらおかしいと
そっぽむく男子もいるのだ
リョースケくんはそんな1人であり
前回の「ちゅーとにゃーときー」んときも
ひたすら私を無視であった


明日はなんとしても彼を振り向かせたい


うらしまたろう伝説は
各地で存在する
そのひとつに伊根の漁村がある


伊根は舞鶴から海岸線を西へ行くとある
丹後半島の先
舟屋として有名だ
1階が船のガレージになっており和風ベニスな感じだ


たとえば香川に伝わるうらしま伝説は
子ども達にいじめられてた亀を助けたら
お礼に竜宮へ招待されるが
伊根に伝わるそれは違う
美しい亀を釣上げたと思ったらそれは亀姫で
亀姫はたろうに一目ぼれして竜宮へ連れて行くのだ


これからもわかるように
伊根のたろうは
見初められるほどかっこよかったのだ


丹後国風土記をもとにして
絵本に描かれてる彼は色男であり亀姫は妖艶だ


コイバナに興味を示すお年頃
これでババーンとミスターリョースケも注目だろう


あとはいかにセクシーに「たろう、たろう」と呼びかけるか
私の女優としての演技力が問われる


明日の男子の反応
乞うご期待でござる