赤玉

押入れを探してたら
「赤玉フトン袋」がでてきた


名前と住所が書かれてる
「ハヤフジヒロシ 新宿2丁目59番」
ヒロシとは私の父の名である
おそらく60年ほど前
父が学生ん時使用していた物であろう


30年ほどまえ
彼は私のフトンをこの「赤玉フトン袋」にいれ
居候してた新宿のじいちゃんちへおくってきたのだ


それからはすっかり私のものとなり
「赤玉フトン袋」は引越しのたび活躍した


この度
この「赤玉フトン袋」を私はカバンにリフォームした


「赤玉フトン袋」は布が厚い
帆布とまではいかないが結構硬い


針がなかなか進まない
親指にタコが出来た頃
「赤玉フトン袋」は「肩掛けカバン」に生まれ変わったのだった


めっちゃかっこよくできた


満を持して肩からさげてたら


「チイ、なんかヘナヘナやな」
チビリンコが言った
「おしゃれしない人みたいやで」


続いて夫が言った
「めっちゃださいな」
「その髪型といい、もう終わってるナ」


私の風貌は家族にかなり不評だ


ところがである
本日は晴天なり
芦屋市総合公園で開催された「あしや・いち」へ行った


「あしや・いち」は芦屋市にあるおしゃれな店舗が集まり開かれる青空市だ
出店してる人も来店してる人も皆おしゃれな感じだ


そこへ出店してるタマミさんと久しぶりにあった


私のなんかヘナヘナななりを見て
「そのバッグ、いいね!」
とタマミさんが言った
「ハヤフジさん、なんかナチュラルな感じになったんちゃう?」


おしゃれなタマミさんがナント
ナチュラルであると私の姿をほめたのだ


やはり見る人がみればわかるのだ


ナチュラルと聞いて真っ先に思い浮かぶイメージ女性は
原田知世さんである


彼女の30年前のテレビドラマ「セーラー服と機関銃」は
高校生の時欠かさず見てたし
現在の原田さんが登場するブレンディのCMだって好きだ


さっそく夫へこの事の次第を報告した


私「この姿、ナチュラルっていわれたんやで」
夫「ナチュラルというよりもネイチャーやで」


・・・え?ネイチャー?
ネイチャーってナチュラルとどう違うのだ?


英語辞典を引いてみた


ナチュラルは形容詞で
ネイチャーは名詞である
ただそれだけの違いだが


イメージ的にどうも土着感が拭えぬ語感、ネイチャー


まぁしかしネイチャーでもいいか
総合科学雑誌的聡明イメージもあることだし


この秋私はネイチャースタイルでいきます


ネイチャーハヤフジ