マヒロくん

向こうから
二人の男子中学生が歩いてきた


よくみると
そのうちの一人はマヒロくんだった


チビリンコの保育所時代の友達だ


私は彼を見ると保育所の運動会を思い出す


待ち時間
ちびっこたちは
小さいイスに座って
競技してるオトモダチを応援する

熱狂する運動会の最中に
彼は
あまりにも眠くて眠くて居眠りし
イスから大きく転げ落ち
目を覚ます経験を持つ伝説の男子だ(私のなかで)


競技する子どもたちより
マヒロくんに目が釘付け


イスで居眠り
はげしく舟をこぐ彼の姿を何枚も
激写連写した経験を私は持つ


そんな彼との久しぶりの再会を祝し握手を交わす


しばし世間話をし
ふと「クラスにかわいい女の子とかおるん?」
聞くと


「…ボクら、男子校です…」
というちょっとさびしい返事が返ってきた


そうなんや…てんてんてん…


マヒロくんは受験して私立男子中学へ進学していたのだった


チビリンコの通う市立共学中学では
思春期の嵐だ


市内の花火大会に向け
男女それぞれ思いをコクハク
「一緒に花火みにいかへん?」と一気に
ラストスパートかける時期らしい


いいよなぁ
セイシュン!oh青春!


マヒロくんもせめて通学時間
素敵な女子と出会ってときめいてね〜