父とにしむら珈琲へ行った
父も私もにしむら珈琲がすきなのだ


向かい合って座っていると
「お前、その服、裏返しじゃないか」
と父が言う


裏返しにみえて
この服はこれが表だ
こういうデザインなのだった


わたしが着てる服はよく
「破けてるよ」とか「穴あいてるよ」などと言われる


そのようなデザインの服を好んで着る


服屋の店員さんは穴や破れなどについて
「これはダメージ与えてるんデスヨー」
と説明していた


なぜ好んで着るかと問われれば
このような服を日常的に着用していると


ほんとうに
破けたり穴があいちゃったりしてても
そういうデザインなんだネ〜
ときっと皆思うであろう
と考えるからだ


これらの服の良い点は
そのように思わせる力をもってることといえよう


わたしの服は
破れたり穴があいたり裏返ったりしてる


デザインの時もあるし
ほんとに破れ裏返ってる時もあるのだった





ところで
この間の個展で
ケヤキと虹」という絵を見ていたオガーさんに


「この絵、ほかのと比べてなんか古くて汚れてるような気がするけど」
って声をかけられた


その絵は1年以上前に描き
家では階段のぼった先の壁にずっと掛けてたものだから
紫外線やほこりなどの影響を受けていた
つまり
新しいのに比べると薄汚れていた


「これは、エイジング処理でアンティーク仕様です」
わたしはそうオガーさんに説明した


嘘ではない


「ふうん」
オガーさんは裏返ったような服のナリをしてる私と古い絵を交互にみて
そういった


そして「大切にするね」と言ってその絵をかってくれたのだった




オガーさんが買ってくれた「ケヤキと虹」↓