リカさんとぷっちょ





リカさんに会った


リカさんは加古川で一緒だった同僚オーハシさんの奥さんだ
モットチビリンコが生まれた時
オーハシさんはリカさんと一緒にお祝いに来てくれたことがある


オーハシさんは総務課で
私は時々腹がへると
彼の所へ出向き菓子をもらっていた


オーハシさんのポッケや引き出しにはいってた菓子は
絶対的にいつもUHA味覚糖ぷっちょ」であった


これはチューイングキャンディで
チューイングキャンディというのは
チューイングガムの食感でキャンディの性質も併せ持つ菓子である


チューイングキャンディといえば森永「ハイチュウ」と思っていたが
オーハシさんに日常的に「ぷっちょ」をもらうたび
チューイングキャンディといえば「ぷっちょ」でしょう
という思想へ変わっていくのだった


加古川の職場の隣は
川と畑と民家と道路が果てしなく広がっていた


そんな中たった1軒商店があった
職場の正門の隣に位置する
その名はクボタ商店


なんでも売ってるわけではないが
選りすぐられた菓子が所狭しと売られるその店内に
ぷっちょ」もあった


私は暇になると隣のクボタ商店へでかけ
どうのような菓子があるか物色する


しかし「ぷっちょ」は買わない
オーハシさんがいつかこの「ぷっちょ」を買うからだ
そしていつかはそれをもらうからだ


その頃のクボタ商店に置かれてる「ぷっちょ」はすべて
いずれオーハシさんの手元へくると言っても過言ではなかったろう


ある日また
腹をすかせた私は総務課へ出没した


オーハシさんの机へ直行し
ぷっちょ」をもらった


そして彼に聞いてみた
「やっぱハイチュウよりぷっちょですよね?」
すると自信たっぷりに「当然でしょう」とミスターオーハシは答えたのだった


そんなわけで
私は本日
リカさんに会い「ぷっちょ」を激しく思い出したのだった


私が加古川の職場を退職した時
時期を同じくしてオーハシさんも浜松へ転勤した


オーハシファミリーは浜松へ去ったものの
リカさんの実家がうちのすぐ近所で
お子さんを連れて実家へ帰省されてたりすると
思わぬ場所でリカさんと再会したりするのだった


今日はなんとリカさん
オーハシジュニアジナンボーを抱っこしてた


昨年11月に誕生されたそうだ


オーハシさんに瓜二つだった
大と小


ジュニアジナンボー
いまにもポッケから「ぷっちょ」をだしそうな面持ちであった